宝舟に関連した俳句の例をまとめました。
宝舟を含む俳句例
相思ふ枕の下や宝船/松瀬青々
敷妙の枕紙なり宝船/井上井月
波がしら皆一方へ宝舟/大橋杣男
宝船砕くる波は描かれず/林直入
宝舟御枕香ぞいや高き/黒柳召波
敷妙の古き枕や宝船/高橋淡路女
抱一の版下にして宝舟/野村喜舟
滾る湯をなだめる水や宝舟/上村占
宝舟旦一片の反古かな/安藤橡面坊
宵もはや枕はづせし宝舟/後藤夜半
年寄の夢の淡さよ宝船/後藤比奈夫
宝船敷寝の旅に夢もなし/福田蓼汀
豊作の藁にて編めり宝船/森山暁湖
遠つ世の浪の音きけ宝舟/星野石木
ふところに東叡山の宝舟/深見けん二
やごとなき一筆がきや宝舟/黒柳召波
七十路は夢も淡しや宝船/水原秋櫻子
千条の日矢の海恋ふ宝船/河本沙美子
夜に入りていよいよ雪に宝舟/上村占
宝舟さざなみ打てる枕かな/渡辺恭子
俳句例:21句目~
宝舟の葢沈み居る清水かな/会津八一
宝舟夢の名残りもなかりけり/安住敦
宝船敷いて夜更ししてをりぬ/町春草
折皺の気になる宝船を敷く/大石悦子
母よりも早寝の父や宝舟/深川正一郎
願ふことただよき眠り宝船/富安風生
神の名を一つ忘れし宝舟/高木青二郎
藁の香の豊かに注連の宝船/市川二三
すぐに寝る草の庵の宝舟/松本たかし
ひとり寝の一枚かふや宝船/松瀬青々
宝船敷いてこれより漕ぎ出む/永方裕子
吾妹子が敷いてくれたる宝舟/高浜虚子
古き宮の宝舟なり買ひにけり/山口青邨
今朝さめて波濤あとなし宝舟/庄司瓦全
宝船皺寄つてゐる目覚めかな/千原叡子
つくづくと寶はよき字宝舟/後藤比奈夫
町灯りてはや売りに来ぬ宝舟/渡辺水巴
宝船目出度さ限りなかりけり/高浜虚子
宝船貧の灯赤くしたりけり/岡本癖三酔
宝舟目出度さ限りなかりけり/高浜虚子
俳句例:41句目~
小いびきにはや乗る夢路宝船/井沢正江
母の敷いてくれたる遠き宝船/川崎展宏
いちにんの舸子の余地なき宝船/丸山海道
宝船ツアーといふはなかりけり/高澤良一
宝舟つたなき絵にてなつかしき/水原秋櫻子
どこも呼ばぬ宝舟買うて戸ざしけり/中島月笠