機音に関連した俳句の例をまとめました。
機音を含む俳句例
城内に機音たかき遅日かな/篠原
西陣に機音減りぬ鳥総松/石川子
機音に震ふ庭土地虫出づ/小島梅雨
機音も霞の中やうつせ貝/綾部仁喜
機町に音なき雨や鳥総松/竪ヤエ子
芭蕉林ゆけば機音ありにけり/篠原
水音と機織る音や沖縄忌/山崎祐子
葛布織る機音葛を風煽ち/石川桂郎
短日の白機すすむ筬の音/石原舟月
京格子洩るる機音冬めける/奥田弘學
機音のこゝまで響く水温む/高浜年尾
機音のして三尺の氷柱かな/巻田政野
実盛忌機音のしていくさ跡/山口鈴代
機音のやみて人声蝶の昼/清武夫美子
機音の加悦にひろごる鰯雲/佐野美智
桐の花機織の音絶えまなく/坂路朋子
機音の重く雨氷となりし朝/吉岡秋青
棚経の機音ひゞく仏間かな/吉岡秋青
機音のひびく丹後路畦青む/宇野直治
昼顔やどこか機織る音のする/吉野義子
俳句例:21句目~
機音の絶えたる町や山眠る/渡辺美千代
機音の街をゆすりぬ雪起し/加藤知世子
機音の止みたるあとの鉦叩/深田八重子
機音のちかくなりたる華鬘草/西村さち
機音のごとくに葛の夜雨かな/吉波泡生
稲扱機音し暮天にはばからず/山口誓子
機音の窓もしづみぬ雪おろし/皆吉爽雨
機音なき盆の幾村過ぎにけり/金子兜太
梅雨じめりして機音の静かなり/森田游水
機町の機音とめしはたたがみ/宮木きわ子
止むけはひなき機音も降る雪も/奥名春江
秋父機音あぢさゐの影も織る/長谷川秋子
秩父路に機織る音や女郎花/佳藤木まさ女
立秋の機音とこそききにけり/石井貫木子
花ぐもり機織る音のねむきこと/杉山青風
機音にゆきあたりたる深雪かな/清准一郎
雪の夜の機音くどきゐるごとし/吉野義子
雪卸す屋根の下より機音覚む/加藤知世子
冬雲に機音何処かしのび寄る戦火/山岡敬典
夕鶴いるかな日暮丹後の機織る音/伊丹公子
俳句例:41句目~
日もすがら機織る音の山椒の芽/長谷川素逝
機音に著莪など咲いてをりにけり/京極杞陽
機音冬山へひゞき機音ひとりとなりて/安斎櫻カイ子
星すめば寒夜の機音すでになく/『定本石橋秀野句文集』