雲の影に関連した俳句の例をまとめました。
雲の影を含む俳句例
涼風や青田の上の雲の影/許六
雛納め畳に疾き雲の影/清本幸子
今朝秋の雲の影あり築地川/梓月
草摘むや峡より出づる雲の影/春藻
焼山を襲ふごと過ぐ雲の影/青野爽
峯雲の翳の陸地の菫色/八木林之介
春風の野山をわたる雲の影/中勘助
枯芝に置き雲の影相寄らず/木下夕爾
浅山に五月の雲の影ぞ濃き/相馬遷子
雲の影落ちて動かず大枯野/岡田日郎
大雲の影堕ちてくる落葉焚/石原八束
畦塗つて左右に分つ雲の影/河野南畦
凍雲の影のとどまる柿畑/伊藤いと子
白塔は火雲の翳に蒼古たり/西村公鳳
連嶺の巍々の眠りに雲の影/岡田日郎
雲の影過ぎ雪の嶺刻が過ぐ/津田清子
鳩鳴くや水も夏なる雲の影/臼田亞浪
月代や峰をつくれる雲の影/角田竹冷
笹鳴くや障子に急ぐ雲の影/会津八一
うしろより雲の翳や青き踏む/椎橋清翠
俳句例:21句目~
わらしなを君こえくらん雲の影/中勘助
信濃路や雲の影さす稲架幾重/石橋典子
初富士の胸わたりゆく雲の翳/伊藤敬子
代掻きの後澄む水に雲の影/篠田悌二郎
東風吹くや山一ぱいの雲の影/夏目漱石
蘂深く薔薇のゆるせる雲の影/木下夕爾
暖かやいぬころほどな雲の影/内藤吐天
雲の影に行念のはしや秋の客/幸田露伴
雲の影日がな流して大夏野/今橋眞理子
雲の影移るテラスの晩夏かな/木下夕爾
松虫草ケルンに走る雲の影/永井由紀子
雲の影走れば梅も走るなり/波多野爽波
永平寺雲の翳さす障子貼る/川津ひな子
雲の翳とどまる高嶺木賊刈る/渡部北星
潮浴びてひらく句帳に雲の影/大屋達治
大花野ときどき雲の影に入り/加藤瑠璃子
寒雲の影をちぢめてうごきけり/石原八束
草競馬さつとまさをき雲の翳/加藤かけい
蟻の出てかつとはれたる雲の影/櫻井博道
行く雲の影にも散れり蝌蚪の陣/前田白露
俳句例:41句目~
痛みに堪えて雲の翳見てゐる/鈴木六林男
雲の影花野を去りてみづうみに/大橋櫻坡子
雲の翳黝みつ富士の鋭きそそり/日夏耿之介
いちにちの境はありて生駒嶺に夜半ゐる雲の影うごき初む/清原令子