噎ぶ/咽ぶに関連した俳句の例をまとめました。
噎ぶ/咽ぶを含む俳句例
吹雪く声石咽ぶ声荒れ磧/林翔
噎び喀く胸の血甘し油/石原八束
朝な～雪の浄らや鳥咽ぶ/石井露月
帰来る夫の咽ぶ蚊やりかな/炭太祇
短日や一管噎ぶ虚空の曲/石塚友二
秋蚊帳の枕に通ひ噎ぶ潮/石塚友二
噎び喀く胸の血甘し油照/石原八束
春陰の大明竹に噎びゆく/高澤良一
桐一葉月光噎ぶごとくなり/飯田蛇笏
おもしろうわさびに咽ぶ泪かな/召波
火の山の霧に噎びて岩桔梗/伊東宏晃
生き急ぎ父が落花生に咽ぶ/鈴木修一
雨ながら薄月明り瀬は咽ぶ/福田蓼汀
しづけさのおのれに咽び秋曇/森澄雄
白日や雀子チチと咽び啼き/中島月笠
木天蓼の花や落ちては咽ぶ水/石塚友二
泣く如く噎ぶ如きか蝉も亦/相生垣瓜人
甘酢にも咽ぶ齢やところてん/板垣紫洋
山の汽車噎びて発てり苗木市/宮坂静生
笑ふ山を遶りて咽ぶ河瀬かな/島田青峰
俳句例:21句目～
蝉咽ぶ他郷信濃の古城址に/中村草田男
燻る炉に咽び無力の教師ぶり/津田清子
夏蝶の粉に咽びし息の緒か/山下真理子
竜神の咽び泣くかや喜雨の夜/油井和子
噎ぶ香の懸煙草より離れけり/八木林之介
泰山木の蕊くづるるは噎ぶなり/松村蒼石
空とぶ花いくたりも辛子に噎び/友岡子郷
夕べ来て濃ゆき花菜に咽ぶかな/太田鴻村
べたべたの顔に椎咲き噎びけり/草間時彦
波音にむせび酢蛸に咽びける/安達実生子
アカシアの花のせて水咽びけり/白井爽風
瓜噛むや四方の緑に咽びつゝ/東洋城千句
またゝびの花や落ちては噎ぶ水/石塚友二
二荒の峰噎ぶごとくに黄葉晴れ/松村蒼石
紬織る泣き音咽び音夜稼ぎ島/加倉井秋を
なべて晩秋愁雲散り瀬は咽び哭き/福田蓼汀
母なる伊豆春月の乳を噎ぶほど/文挟夫佐恵
湖氷挽く挽き音しだいに咽び音に/加倉井秋を
咽ぶごと雑木萌えをり多喜二以後/赤城さかえ
夜の靄に咽びて蟇のうたかこれは/篠田悌二郎
俳句例:41句目～
薬咽びする顔に松の花擦るゝ/游遺稿/藤原游
のぼりくる草の水気に咽ぶかな/飛鳥田れい無公
しのび音の咽び音となり夜の蝉/三橋鷹女「羊歯地獄」
