樹影に関連した俳句の例をまとめました。
樹影を含む俳句例
啓蟄の蜥蜴毛虫に木影かな
八月十五日木影が家の中/中田剛
嚇の移りて障子木影なし/清原枴童
夏来る樹影の黒と土の白/香西照雄
鳥影も木影もさして青簾/井上井月
つくばひに餘寒の木影宗易忌/及川貞
下萌や二歩に三歩に畦木影/高野素十
寐待月ガラスに木影月の影/高木晴子
寝待月ガラスに木影月の影/高木晴子
恵方とや樹影正しき靄の中/京極杜藻
掬ひ合ふ振舞水の木影かな/中島月笠
鳳蝶や日影木影の異人墓/下村ひろし
薄氷の樹影が折れてより水面/稲岡長
門内の木影すゞしや水遊び/石田一信
雪月夜斜の木影々々かな/東洋城千句
午過ぎの濃き木影なる泉かな/尾崎迷堂
木影なくあらはに燈籠流しけり/原月舟
皐月晴れて嵐の如き樹影踏む/原コウ子
術痕の湯に透きとほり新樹影/高澤良一
鳥入れてふくらむ樹影去年今年/中田剛
俳句例:21句目~
なきがらや木影ほのかに冬障子/斉藤夏風
ぬかるみに木影うつらふ蚊喰鳥/富田木歩
甘酒や木影添ひ来る足袋の白/島村元句集
樹影身に揺れつつ遠き春の虹/柴田白葉女
木影濃き書院にかをる茉莉かな/那須茂竹
日光みちて樹影はげしき雪の上/渡邊水巴
秋雨や木影ひまなき苔の上/長谷川零餘子
水門にうごく木影や冬の月/故郷/吉田冬葉
樹影地に卒業の子ら散りぢりに/柴田白葉女
樹影胸に畳みて去らん蝉やめば/鳥居おさむ
瀬を越えて木影地を這ふ晩夏かな/飯田龍太
白樺のまぶしき木影きりぎりす/秋元不死男
雪解野に木影たばしる目覚めかな/仙田洋子
時化なほる日ざしの木影啄木鳥/大須賀乙字
木影あるところに秋のありにけり/稲畑汀子
合同句集『樹影』/一九九六年刊/沼尻巳津子
わが影を刺す木影かも霜の門/飛鳥田れい無公
二タ三掻き樹影を出づるあめんぼう/高澤良一
行くにつれて木影映り消えし水田哉/西山泊雲
木影ばかりの残雪となり蝶の飛ぶ/大須賀乙字
俳句例:41句目~
粟むしろ樹影生れては消ゆる日よ/阿部みどり女
障子百枚に梅の木影のありにけり/長谷川零餘子