見入るに関連した俳句の例をまとめました。
見入るを含む俳句例
今朝秋や見入る鏡に親の顔/鬼城
見入ゆかし軒の花柚子友上戸/調音
薊摘んで花の巧を眼に見入る/篠原
秒針に見入る病者に夜の霧/成田千空
蓼科の初雪見入る父なりき/久米正雄
何に見入る男の周り鶯菜/松本まさ子
玄冬の鮪に見入る背広かな/攝津幸彦
木道に膝つき見入る蜷の道/川崎慶子
妻に影重ねて見入る寒牡丹/鈴木木鳥
野鳥図鑑見入る子の瞳よ冬麗/上窪則子
鬼城忌や浅間に見入る倚り柱/山同古峡
蟻地獄見入る少女の鎖骨美し/熊谷愛子
膝に手をあてて見入つて秋の鮒/小澤實
摘出癌見入る家族の余寒かな/秋葉舟生
雪を見る鏡に見入る顔をして/市川勇人
何為せしおのれか崩れ簗見入る/下村槐太
夏帽の茂吉地に坐し見入る河/文挟夫佐恵
大熊手手締めに見入る異国人/加賀さとし
机見入れば木目波立つ夜寒の灯/富田木歩
泰山木開くに見入る仏像ほし/加藤知世子
俳句例:21句目~
固唾のみ見入る俎はじめかな/細井新三郎
淫祠に見入る少年虫の顔をして/中村苑子
秋の樹に見入るあなたは秋の人/池田澄子
海見入る人のうしろの小雀ら/星川木葛子
がしと雪踏みしめ見入る水芭蕉/高澤良一
自像見入る時淋しみや宵の春/中塚一碧樓
涅槃の日仏典アニメに見入る子等/大西敦子
妻見入るをだまきに雨さかんなり/大野林火
国栖の地図ひろげ見入り神無月/渡部伸一郎
ぬかるみに来て恋猫に見入らるる/太田鴻村
花石蕗に見入る眼惜め戸たつる婢/野村泊月
しん~と降る雪に見入りわがさだめ/原石鼎
虹の根の愁訴ひとつの壺見入る/河野多希女
深々と礼をするかに薔薇見入る/上田日差子
見守るや月に見入れる病者の眼/徳永山冬子
炎天を来て地獄絵に見入るなり/佐藤美恵子
小春日や並べて見入る京の菓子/直江藤三郎
瞳を据ゑて風せん虫を見入る吾子/水谷夢円人
わが咳にくづるる薔薇と見入りけり/臼田亞浪
こもり居のいくたび見入る梅雨水輪/吉野義子
俳句例:41句目~
いつ逢へるともなく見入る賀状かな/河原白朝