帰国に関連した俳句の例をまとめました。
帰国を含む俳句例
秋雨の帰国命令送信す/山本洋子
新米の匂ふ帰国の機内食/内藤康子
帰国して雨に歩けば貝割菜/原田喬
人情は不変と風邪の父帰国/杉本寛
鯉幟大きく見えて来し帰国/嶋田一歩
恙なく帰国の夫に新酒酌む/野畑節子
帰国せし妹に豆撒かせけり/田中青鳥
昇天日駅に犇めく帰国バス/関森勝夫
帰国子に先ずたつぷりと蜆汁/蒲沢康利
ボストンの紅葉栞に帰国かな/伊藤京子
更待の月を帰国にともなへり/稲畑汀子
母国語を泳ぎ歩いて帰国の春/伊丹公子
鴫焼を二タ夜所望よ帰国の子/村上光子
萩初花帰国師の訃に間に会へず/杉本寛
子の帰国までの日数ふ小望月/関口美子
守り神は恐竜メダル帰国少年/伊丹公子
帰国して極寒といふ枷のあり/児島倫子
帰国して畳の朝寝ほしいまま/岡安仁義
帰国して箸の軽さの夏料理/川中千寿子
帰国せり梅雨の日本は水の国/関森勝夫
俳句例:21句目~
個展終ヘパリより帰国夏帽子/山田弘子
帰国子の語り尽せぬ夜長かな/佐藤博重
帰国者の尖りし貌の毛帽かな/森脇襄治
マラリヤの故に帰国を思ひ立ち/吉川耕花
凪子帰国不測に出るもの涙とは/伊丹公子
台風の報聞く帰国のエアポート/八巻絹子
新米をもて帰国の夜ねぎらはれ/稲畑汀子
帰国せし汝がためにとも春火桶/稲畑汀子
帰国子に買ふ日本地図枇杷の花/武田光子
秋草や日のはつはつに帰国近し/小池文子
押鮨の酢がややつよし帰国せり/小倉涌史
花茣蓙の仮寝たのしむ帰国の子/和田祥子
襖絵を替へて帰国の子等を待つ/八巻絹子
日本の風邪も癒えたる帰国の日/山田弘子
帰国の途より馬肥ゆる我肥ゆる/稲畑廣太郎
倫敦の声なりし人帰国して冬至/長谷川かな女
帰国子をいざなひ潜る茅の輪かな/塩谷はつ枝
帰国して夜長の時差をもどしけり/竹中碧水史
おさがりに迎へられたる帰国かな/桑久保奈美子
拾った椰子の実芽が出て帰国空路の雲/伊丹公子
俳句例:41句目~
帰国して着る勇気なきアロハかな/広田祝世「かつらぎ選集」