俳句例:101句目~
聖樹はや十一月のレストラン/大久保白村
雲助大勢十一月の背景より/長谷川かな女
十一月あつまつて濃くなつて村人/阿部完市
十一月くしゃみ始めと云ふべかり/高澤良一
十一月しょっぱなの風邪貰ひけり/高澤良一
手術痩せの身に十一月終りけり/上野さち子
あたゝかき十一月もすみにけり/中村草田男
十一月七日声あげて風屋根を過ぐ/古沢太穂
石蕗の黄に十一月はしづかな月/後藤比奈夫
くしゃみして十一月に入りにけり/高澤良一
しら帆百上げる十一月末日の仕事/阿部完市
義理欠くまま十一月のこゑをきく/高澤良一
十一月の海見ゆリフトゆるやかに/横原律子
十一月ときめくことも無く過ぎし/丸山しげる
少女の素足路地へすつ飛ぶ十一月/能村登四郎
詩の湧きつぐことが詩十一月の薔薇/中村草田男
ほとけおどけよる十一月のホットケエキ/攝津幸彦
虚子に問ふ十一月二十五日のこと如何に/川崎展宏
十一月三日は必ず空が青くてわたしたち老いらく/荻原井泉水
十一月は青微光なし越前の蟹の雌雄も食はれてしまふ/鈴木春江